「熊野」といわれている紀伊半島のエリアに、ここが熊野、これが熊野、という特定される場やものはない。あの山か、あの滝か、あの社か、あの辻か、あの気配か。記紀伝承の昔から、蟻の熊野詣の昔から、人々が育んできた熊野とはそんな概念の熊野である。長く通った「熊野大学」での放課後的ある時、「概念の熊野」について中上健次さんと話し込んだことがあった。今、杉浦圭祐さんが『異地』と名付けた句集を前に、あの日のことを思い出している。
宇多喜代子「序」より
■ 朝日カルチャーセンター京都教室 「俳句のある生活 はじめて作る575」開講中・受講者は随時募集中です。 ■ 句集『異地』 杉浦圭祐 発 行:現代俳句協会 装 丁:中山銀士(協力=金子暁仁) 発行日:2021/01/15 ISBN :978-4-909520-20-3 価 格:1,500円+税
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